私の好きなエンタメVol.1 小沢一敬（スピードワゴン）

──小沢さんは普段どうやって音楽や映画、アニメなどのエンタメ情報を得ていますか？

飲みに行ったときに友達にオススメを聞いたり、レコード屋に行ってジャケ買いしたり。本は本屋さんで見つけています。

──ネットの情報などには頼らず、自分の足で探しているんですね。

ネットの使い方をよくわかっていなくて（笑）。

──音楽だと、最近はどんなものを？

昔は知らないアーティストを探していたけど、歳を重ねて「昔これ好きだったな」というものを買うことが増えたかな。

──小沢さんといえばTHE BLUE HEARTSをはじめとするパンクロック好きのイメージがあります。

パンクロックは相変わらず大好き。でも昔よりいろんなジャンルを聴くようになった。俺、子供の頃からカレーが好きで、でもおでんは最近好きになったの。音楽の趣味もそれと同じ。この変化って、いろんな人やモノに出会って、自分の中にある“部屋”が広くなったからなんだよね。パンクロックやカレー以外のものを楽しめる余裕ができた。

──最新の曲もチェックしていますか？

うーん、「新しい曲」「古い曲」っていう分け方はあまり意識していないからなあ。だって60年代や70年代の曲でも、俺が知らない曲だったらそれは俺にとっての「新しい曲」だから。そういう意味でauスマートパスプレミアムは知らなかった曲との出会いの場として使っていきたいなって思った。スマホで使えるんでしょ？

──はい。auスマートパスプレミアム会員の方は、auスマートパスとうたパスのアプリをダウンロードすれば、さまざまなプレイリストを楽しめます。

子供の頃はレコード1枚に1カ月分のお小遣いを全部使ってた。だから「うわ、失敗したな」と思っても仕方なくそれを聴き込むんだよね。でも、そうするうちにその曲のよさに気づく。うたパスのようなサービスを使って音楽を聴いている人にも、ハマらなかったからといって飛ばさないで、繰り返し聴いて魅力を発見する体験もしてほしいな。

──今回小沢さんには、auスマートパスプレミアムで聴くことができる音楽プレイリストの中から「カラオケ最新ヒッツ！」を選んでいただきました。このプレイリストにはスピッツ、あいみょん、尾崎豊、坂本冬美などバラエティに富んだアーティストの楽曲がラインナップされています。

流行りのJ-POPはあまり聴かないし、カラオケもほとんど行かない俺でも知っている歌がけっこうありましたね。尾崎は子供の頃に聴いていたから懐かしかった。

──続いて、auスマートパスプレミアムで観ることができる映像作品からは「3年A組～今から皆さんは、人質です～」「永遠のぼくら sea side blue」「鬼滅の刃」を気になるコンテンツに挙げていただいています。

「3年A組」は、主題歌がザ・クロマニヨンズだったから興味を持ったんだけど、地上波のドラマで全話観たのは十何年かぶり。ストーリー自体も面白かったし、SNSとの付き合い方というテーマも自分が感じていたモヤモヤと共通するところがあって楽しめた。「永遠のぼくら」は4年前の作品で、まだ大ブレイクする前の山崎賢人、有村架純、清野菜名、浅香航大、そして小沢が出ています（笑）。撮影していた頃は賢人や航大とよく遊んだなあ。「鬼滅の刃」はもともと原作マンガのファンで、アニメも絵のタッチや演出がすごく好み。マンガのおどろおどろしい感じを残したまま、より幅広い層に伝えたいという気概も感じられて、もっともっと観たくなるような魅力がある。

──ちなみに、その十何年前に全話観たドラマというのは？

「古畑任三郎」（笑）。

──サスペンスがお好きなんですね。

いや、特にこだわりはないよ。でも苦手なのは恋愛モノ。

──どうしてですか？

なんでだろう。SFとかサスペンスのほうがドキドキするからかな？ 恋愛モノのドキドキは好きなドキドキじゃないんだよね。

──ここまでお聞きしてきた、音楽やドラマ、アニメなどのエンタメ作品が小沢さんの作るネタに影響を与えることはありますか？

うん、影響を受けていないことは絶対にないと思う。ただ、曲のコード進行そのものをコピーするというよりは、バンドのテンション感をコピーするって感じかな。まあ、これは甲本ヒロトさんがよくおっしゃっていることで、俺は今ヒロトの言葉をまんまコピーしちゃってるんだけど（笑）。

──エンタメが与えてくれた感動や興奮をもとにネタを作っている、と。

そうそう。好きな作品のことを頭の片隅で考えながら過ごしていると、それが整理されて、ネタとして夢に出てくることがあるんだよ。昨日も作家や芸人仲間と鍋をやっている途中で寝ちゃったんだけど、起きてからみんなに「こんな夢を見た」って話して、1本漫才ができた。嘘だと思うでしょ？（笑） 2002年の「M-1グランプリ」で披露したヒーローのネタも家から劇場に向かう電車でうたた寝したときに見た夢。劇場に着いて、潤（相方の井戸田）に「こういうネタやってみない？」って説明して完成させた。

──すごい！ そんな逸話があったとは。それくらいエンタメと小沢さんは密接な関係なんですね。

人間が生きるためだけだったら、衣食住に関わる仕事だけあればいい。でもそんな世界、白黒テレビみたいなものだよね。その白黒の世界に色をつけてくれるのがエンタメだと思うな。